Monday, June 5, 2006

Justine Kurland











Justine Kurland (ジャステーィン・カーランド)
1969年にニューヨーク州 (New York) 西部にあるワイオミング郡 (Wyoming County) の郡都ワルシャワ (Warsaw) で生まれた。
写真家。

【注意】 ポストした作品の概要を軽くまとめ、以後脱線することになるので、ポストしたシリーズに必要な情報は最初の数行と、最後のタイトルのみです。

2001年、ジャステーィン・カーランドはニュージーランドに数ヶ月滞在し、オークランド高校 (Auckland high school) の女子生徒たちを被写体にジュール・ヴェルヌ (Jules Verne) の 『十五少年漂流記 / 二年間の休暇 "Deux Ans de Vacances"』 を下敷きにしたシリーズを制作した。
このシリーズのタイトルは一説によると "New Zealand Series" というらしいのだが、正式のタイトルではないのか、そう表記しているのをほとんど見かけない。
ここ日本でタイトルを付けるとしたら、ベタに 『十五少女漂流記』 になるのだろうか。
が、昔そんなタイトルの映画があったような記憶があるので、『十五少女漂流記』 って付けるのは避けられるかもしれない。
まあ、とにかく、ネット上で見ることができるこのシリーズからは少女たちの楽しげなコミューン幻想といった雰囲気が濃厚に感じられる。
そこには危機的なものや倒錯の匂いというものが一切なく、そこが少し残念。

『十五少年漂流記 / 二年間の休暇』 などの漂流・漂着ものから影響を受けた作品といえば、例えば小説では、ウィリアム・ゴールディング ( William Golding) の 『蠅の王 "Lord of the Flies"』 が有名だろう。
漂着ものという訳ではないが、社会から孤立した状況下における子供たちのサバイバルという点からレジス・メサック (Régis Messac (Regis Messac)) の 『半球の弔旗 "Quinzinzinzili"』 というフランスのSF小説なんてものも思い浮かべることができる。
この二作は、成熟していない集団で発生する軋轢、危機な状況、狂気を濃縮した作品で、昔はボクのお気に入りの小説だった。
楳図かずおのマンガ 『漂流教室』 もこの系譜に連なる作品といっていいだろう。
アニメでは神田武幸が監督したTVアニメ 『銀河漂流バイファム』 がこの系譜で、最近では谷口悟朗が監督したTVアニメ 『無限のリヴァイアス』 が 『蠅の王』 的世界を上手く表現していた。
以前、ジャステーィン・カーランドのこのシリーズを見ながら、こういった作品で表現されている極限下での未熟な集団の崩壊といったものを写真で表現する人がいてもいいのではないだろうか、しかも少女ばかりの集団で、などと妄想した憶えがある。
デニス・ホッパー (Dennis Hopper) が監督した1980年の映画 『アウト・オブ・ブルー (Out of the Blue)』 からサンプリングされた少女の台詞 "Hello this is gorgeous, anybody out there read me? ……Destroy, Kill all hippies……" から始まるプライマル・スクリーム (Primal Scream) の "Kill All Hippies" を爆音で響かせながら鑑賞できる様な作品を夢見たっていいではないか。
という訳で、誰かそんなシリーズを制作して下さい。


18点で構成されたシリーズの中から次の10点をポスト。

"Cyclone" (2001)
"Ghost Ship" (2001)
"Raft Expedition" (2001)
"The Mudd Puddle" (2001)
"Racing to Meet Me" (2001)
"Baptism" (2001)
"Eel Swamp" (2001)
"Fort of Fronds" (2001)
"Jungle Gym" (2001)
"Sheep Wranglers" (2001)

Wikipedia
artnet
Mitchell-Innes & Nash
Emily Tsingou Gallery
The New York Times Magazine
Cyclone by Justine Kurland, 2001 | Flickr - Photo Sharing!



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