湯真藤子(Yuma Touko)
1973年東京生まれの画家。
木村了子のブログで名前と作品を見かけたのが最初の出合いだった。調べてみると大変面白い作品を制作している方だと分かり、早速作品をDL。それからしばらくして、去年の秋だったか、作品の使用についての問い合わせをすると、快く許可して頂いた。え~と、すみません。あれから半年以上経ってます。
作品の制作には悩みがつきもので、湯真藤子はブログで公開している作品に制作にまつわるそんな話を併記している。多分悩んでいるのだと思う。苦しんでいるのだとも思う。だけど、なぜだか分からないが、湯真藤子の文章を読んでいると、クスクスと笑い出してしまい、しまいには声を出して笑っている自分がいるのだ。
以下ですます調に切り替え。
"L'APRES-MIDI D'UN FAUNE -The way following a market-"について書かれた文章をみてみましょう。
これは悩みを告白した内容というのではないのですが、湯真藤子の作品がどうしてこう描かれることになるのか、添えられた文章からその思考から辿れるのではないか、という試みの真似事です。
ちなみにこの作品は、十二支の動物、牛(丑)をイメージしたもので、油絵の為のエスキースとして描かれた作品だそうで、個人的には油絵の方よりこちらの方が女の子の顔が被虐的で好みです。
テーマが決まっている場合、大体その言葉から思いつく事を連想していきます。
牛と言えばホルスタイン、ホルスタインと言えば巨乳?安直すぎます。
牛と言えば牛乳、牛乳と言えば豊かな乳、巨乳…想像力貧困すぎです。
牛と言えば肉、美味しい牛肉と言えば子牛、子牛と言えば「ドナドナ」!
安直だ、想像力の貧困だと言いつつ、牛から最後に辿り着いたのが「ドナドナ」。この部分について感想を書くと何か恐ろしいことを書いてしまいそうなので、あえて書きません。
小学生の音楽授業にあるまじき、残酷で可哀想な歌です。ゆえに歌詞を忘れられず、今でも牛肉料理を作る時は必ず歌います。
そこで、可哀想な子牛と肉屋のオジサンを描く事に決めました。私が小学生の時の「夏休みふるさと体験ホームステイ」での牛舎恐怖体験も、少しブレンドしてあります。
残酷で可哀想な歌と言いつつも、今現在も牛肉料理を作る時は必ず歌いますというとこが既にオカシイです。ゆえにベジタリアンになってしまいましたでは断じてなく、今でも美味しく召し上がっているのです。その過程での「ドナドナ」。牛肉料理のたびにいつも反復される「ドナドナ」。尋常ではありません。
小学生の時に経験したホームステイ先での牛舎での恐怖体験を作品に少々ブレンドしたとありますが、まるで大人になって経験した危険な体験をブレンドしたかのようになっているところがこれまたスゴイところで、過去の経験の熟成のさせ方が僕みたいな凡人にはまるで想像できません。
そして、
子牛さんが巨乳なのは発育が良いという理由にしました。何と言ってもホルスタインですから。すこぶる貧乳の私にとって、豊かな胸は憧憬と羨望の的なのです。せっかく巨乳に生まれたのですから、牛柄全身タイツは透け感のある方がオシャレだと思います。
と突然、自身が貧乳であるという告白と巨乳への憧れが語られ、
後ろにいる子牛は、体験ホームステイ中に生まれた子牛の“ミルキー”ちゃんの写真を見て描いたものです。良くなついて本当に可愛かったミルキーちゃんを「今頃どうしてるかな」思い出し、ふと考えました。まさか、売られて行ったのでは…?
この絵の様になっていない事を、心から願います……。
と続くのです。
そして、
※画像をクリックすると大きなサイズでご覧頂けます。
という注があり、その下には在りし日のミルキーちゃんの画像が添付されていて、僕は抑えきれずにゲラゲラ笑ってしまいました。どう考えても普通じゃない。ここである言葉をつい使いたくなってしまいますが自重します。作品に添えられた文章は読む人たちを笑わせる気満々で書いているという訳ではないでしょうが、読んでいるとどうしようもなく笑ってしまうところがあり、こういったことを書ける人は、絵を描いてもやはりそこにユーモアが滲み出て来るものなのだなあとつくづく感じました。
ポストしたのは、
"L'APRES-MIDI D'UN FAUNE -The way following a market-" (2008)
"L'APRES-MIDI D'UN FAUNE" (2008)
"Dance of annoy sheep or wolf-Does friendship exceed appetite?-" (2008)
の3点。
Education:
1997 東京芸術大学大学院修了。
湯真藤子YUMA TOUKO Art Works/ウェブリブログ
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