Alex Kanevsky (アレックス・カネフスキー)
1963年にロシアの北コーカサスにあるロストフ州 (Ростовская область) の州都、ロストフ・ナ・ドヌ (Ростов-на-Дону、Rostov-na-Donu、Rostov-on-Don) で生まれた。
室内の人物を描いた作品からは、冷たい空気をそのままパッケージングしたかのような印象を受ける。
かといって、作品自体をスタティックと感じたりはしないところが不思議。
とにかく、クールでカッコイイ。
デュシャンの『泉』によってその特権的な地位から蹴落とされ、以後、コンセプチュアル・アートからインスタレーションへという現代美術の流れの中にあって、徐々に隅に追いやられた感のある絵画。
このエントリからすると少しばかり未来の話になるが、2006年10月から12月にかけて国立国際美術館で 「エッセンシャル・ペインティング」 という展示会が開催される。
この展示会は現代美術の潮流の中での絵画のおかれた現状を踏まえ、1990年代以降のヨーロッパとアメリカの絵画の様々な流れを概観し、その意義を再検討するという目論見であったのではないかと思われる。
ヨーロッパやアメリカの絵画の最前線で活躍している画家として、
マンマ・アンダーソン (スウェーデン 1962-)、セシリー・ブラウン (イギリス 1969-)、ジョン・カリン (アメリカ 1962-)、ピーター・ドイグ (イギリス 1959-)、マルレーネ・デュマス (オランダ 1953-)、ベルナール・フリズ (フランス 1954-)、アレックス・カッツ (アメリカ 1927-)、ミッシェル・マジュリュス (ドイツ 1967-2002)、ローラ・オーエンズ (アメリカ 1970-)、エリザベス・ペイトン (アメリカ 1965-)、ネオ・ラオホ (ドイツ 1960-)、ヴィルヘルム・サスナル (ポーランド 1972-)、リュック・タイマンス (ベルギー 1958-)が選ばれ、作品が展示される。
誰某が含まれていないという話にあまり意味があるとは思えないが、あまり現代美術に詳しくない者としては、自分の好きなこのエントリのアレックス・カネフスキー (Alex Kanevsky) や英国のジェニー・サヴィル (Jenny Saville) が選ばれなかった理由が気になってしまう。
上記のアーティストの中に入れるほどの強度がカネフスキーやサヴィルにないということなのだろうか。
流れが違うとかそういうのかもしれないのだが、その辺りが日曜芸術鑑賞者でしかない者にはよく分からない。
ポストしたのは、
"The Bride" (2006)
"K.B. with her Kimono" (-)
"AC" (-)
"ALS" (2004-2005)
"Bathroom with movement" (-)
"Bathroom KB" (2004-2005)
"Blue Bathroom" (2006)
"operabath" (-)
"JW," (2004-2005)
"-" (-)
の10点。
Alex Kanevsky
この人、最近の一番お気に入りの画家です。
ReplyDelete電球や、廊下が好き。
わたしが油絵に求める透明感って、まさにこれなんだと、この人の描く絵を見て思った。
はじめまして。
ReplyDeleteコメントありがとうございます。
ボクは Alex Kanevsky の作品から、技法としては新しいというよりはむしろ古典的なのでしょうが、その色の選択 (清涼感というか透明感といえばいいのか)、描く対象の選び方、描く瞬間の捉え方、描く時の省略の仕方などがとても今っぽいく、洗練されたクールネスを感ます。
そして、そういったところが大好きなところです。