Audrey Kawasaki (オードリー・カワサキ)
1982年3月31日LA生まれ、在住。
画家。
オードリー・カワサキの両親はともに日本から移住してきた日本人で、特に母親が日本のTV番組をレンタルビデ店からよく借りてきていたことなどもあって、オードリー・カワサキは幼い頃から日本のTV番組を見て育ち、それ以外にもマンガを読み、日本のポップスを聴くなど日本のポップカルチャー、サブカルチャーにどっぷり浸かって成長。
週末は日本人学校に通っていた。
そんな関係で、日系二世と考えた場合には、自分があまりに流暢な日本語を話すので驚く人たちがいるとオードリー・カワサキはインタビューで答えている。
オードリー・カワサキは絵画を学ぶためニューヨークの美術学校プラット・インスティテュート (Pratt Institute) に通うも2年でドロップアウト。
その後ロサンゼルスのアートシーンへ彗星の如く現れた。
思春期の少女をアルフォンス・ミュシャ (Alphonse Mucha) を現代的にアレンジしたスタイルとハンス・ベルメール (Hans Bellmer) からの影響を窺わせる淡く暗いエロティシズムを漂わせながら描く。
初見時の印象を簡単にまとめるとそんな感じだったのではないかと思う。
オードリー・カワサキの作品を初めて見た時、描かれた少女たちの身体の一部、例えば腕などが消失/欠損していることが気になり、ハンス・ベルメールや手塚治虫の 『どろろ』 が好きでこういう表現に行き着いたんだろうなと考えたのだが、これはオードリー・カワサキが日系二世であるとはまだ知らず、日本人がペンネームや芸名で付けた名前――例えばロビン西だとかソルボンヌK子だとかハリー細野みたいに――なんじゃないかと思っていたから、ベルメールだけでなく、「『どろろ』 からの影響が」 なんて風に考えたのだった。
身体の欠損については、実際のところ、陰に隠れた身体の一部がそう見えるだけなのでベルメールからの影響というのも的外れということになる。
隠れていなくても消えている場合も中にはあって、だけどそれは最初からベルメール的なものとはかけ離れている。
しかし、そういった身体の欠損の問題を別にしてもオードリー・カワサキの描く少女達の身体はどこか人形を思わせるところがあり、そこがベルメールに通じていると言えないこともないだろう。
気が付いたらベルメール、ベルメールばかり言っていたので、この辺りで初見時のほかの印象に話を移そう。
まず気になったのは、鼻の描き方について。
処理の仕方が日本人っぽくないな、日本の漫画家やイラストレーターでこの作風だったら、まず鼻の穴をしっかり描いたりしないし、そこだけ西洋風なんだけど、上手く処理しているから違和感がないな、と。
昔から漫画で鼻をどう描いているのかって点が気になって仕方がないというところがあったので、そこに目がいったのだ。
もうひとつ気になったのは、木やウッドパネルを支持体として使用しているという点。
美術に明るいというタイプじゃなかったので、それが新鮮に感じられたというのを憶えている。
ウッドパネルについては、その後、オードリー・カワサキへのインタビューで、ウッドパネルに絵を描き色を塗った後に2層、3層のポリウレタン・コーティングするというのを読んだ。
で、ウレタンでコーティングすると木部が経年によって変色しないってのが普通だから、そのための処置なのだろう、とすると、木部の変色によって深みが増すってことにはならないのではないか、なんてことを考えた。
が、これはどう考えても家具好きの思考であって、美術とはあまり関係がない。
ポストしたのは、
"Owlgirl" (2005)
"Sophia" (2006)
"Nico" (2006)
"Isabelle" (2006)
"Oyasumi" (2006)
"Mia & Mai" (2006)
"Claudia and the coelacanth" (2006)
"Green" (2005)
"Blue Girls" (2005)
"Horse" (2006)
の10点。
a u d r e y * k a w a s a k i
okonomide.
kimagure gaki
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