ゴングのように鳴りわたる時間、縁からあふれるほどにそこを満たす滝、
渦巻き、いなごの群れ、雲、銀河、埃、物音、事件、あれこれ、あれそれ、etc、etc、etc......
Monday, May 15, 2006
Colette Calascione
Colette Calascione (コレット・カラッショーネ)
1971年サンフランシスコ (San Fransisco) 生まれ。
画家。
コレット・カラシオーネは、古典絵画の世界を幻想的にユーモラスにエロティックに軽く (楽にとか簡単にという意味ではなく) 料理し直したような作品を描いている画家。
そんなに多作な画家ではないのだけど、その分どの作品もコンセプトがかなり練りこまれていて、見ていると面白い。
例えば1枚目、1998年に描かれた "Swimmer" という作品。
パッと見、すごくシンプルな作品である。
アンティークソファに人魚が横たわってシャボンをプカプカ飛ばしながらポーズをとっているというのを奇妙に思わなければだけど。
足ひれと同色のタイトなオレンジのドレス姿がとてもグラマラスで、きれいだな、腰細ぇなぁ、コルセットしてんのかなぁなんて考えながら人魚を鑑賞していると、今度はその背景が気になりだし、壁面に描かれているの荒れた海原をどこかで見たことがあるような気がして目を凝らしてみれば、その海の向こう――平面だから向こうも何もないのだけど――に見えるのは紛れも無く富士山で、ああ、葛飾北斎 (Katsushika Hokusai) の 「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏 "Behind the Great Wave at Kanagawa"」 かってことに気が付く。
モデルが気取ったポーズを取るセットの背景が日本では昔の銭湯の壁画を思わせる 「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」 ってのが日本人的には面白い。
この作品だけでなく、どの作品もこんな風に不思議な空間を作り出しているのだけど、不思議だなと思わせつつ、違和感を感じさせつつ、調和がとれているというのがコレット・カラシオーネの作品のすごいところで、何度見ても感心させられる。
ジョエル=ピーター・ウィトキン (Joel-Peter Witkin) は実在の人物達を登用して名作絵画を写真で再現しつつ食い破るのだが、コレット・カラシオーネはそれを女性的な柔らかな官能と幻想で改めて絵画の世界に引き戻す。
また、レトロなバーレスク調の世界を幻想的に作り上げている 666photography の Gayla は、このコレット・カラシオーネをかなり参考にしている様に見受けられる。
ポストしたのは、
"Swimmer" (1998)
"Cockfight" (2004)
"Two Faced Portrait" (1996)
"Tickle" (2000)
"Two Birds Sold for a Kiss" (1995)
"Milky Way" (1998)
"Illumination" (2002)
の7点。
Colette Calascione
Subscribe to:
Post Comments (Atom)
No comments:
Post a Comment