ゴングのように鳴りわたる時間、縁からあふれるほどにそこを満たす滝、
渦巻き、いなごの群れ、雲、銀河、埃、物音、事件、あれこれ、あれそれ、etc、etc、etc......
Friday, May 26, 2006
John Wilde
John Wilde (ジョン・ワイルド)
1919年12月12日にアメリカ中西部の北部にあるウィスコンシン州 (Wisconsin) 南東に位置するミルウォーキー (Milwaukee) で生まれた。
アメリカの画家。
少年時代に生涯の友となるカール・プリーベ (Karl Priebe) と出会う。
何がきっかけで知りあったのかは不明だが、二人揃って将来画家になることを考えると、絵画への興味が二人を近付けたということなのだろう。
ワイルドは、高校時代、ミルウォーキーを拠点に活動している二人の画家サントス・ジンガル (Santos Zingale) とアルフレッド・セスラー (Alfred Sessler) のスタジオを訪問し、自分も画家としてやっていけるという自信を持ち、この訪問からしばらくして、ポール・クレメンズ (Paul Clemens) に師事、絵を学んだ。
1938年にウィスコンシン大学マディソン校 (University of Wisconsin-Madison) に進学し、学士を取得。
在学中にリージョナリズム (地方主義) とシュルレアリスムを結びつけた作風で知られるマーシャル・グレイシア (Marshall Glasier) の知遇を得た。
グレイシアは1930年代後期にアート・スチューデンツ・リーグ・オブ・ニューヨーク (The Art Students League of New York) で学んだ画家だったが、大恐慌時代ということもあって、ニューヨークでは画家として生計を立てることが難しく、地元マディソンに拠点を移し活動していた。
また、自宅を地元の若いアーティストや学生が集うサロンとして開放し、ワイルドもそこに入り浸る学生の一人となっていたのである。
グレイシアと若いアーティストたちは、当時の不況下、アメリカの画壇で主流のひとつとなっていたリージョナリズムに異を唱え、結束。
グレイシアを中心にマディソン校出身のワイルドやプリーベ、ダドリー・ハップラー (Dudley Huppler)、シルヴィア・ファイン (Sylvia Fein) といった若手のアーティストに、シカゴのガートルード・アバークロンビー (Gertrude Abercrombie) も参加したひとつのグループを形成するに至った。
学生時代のワイルドに影響を与えた人物としては、まず、このグレイシアが挙げられるのだが、他にもう一人、マディソン校で教鞭をとっていた教授の中に影響を与えた人物がいた。
ジェームズ・S・ワトラス (James S. Watrous) という芸術学部の教授は、自然素材でインクやクレヨンやチョークを作製する方法、羽ペンや葦ペンの作り方、銀筆の扱い方を生徒に事細かに教え、そういった教育は、後にワイルドに独自の油彩を生み出させるきっかけとなった。
それだけではなく、ワトラスの美術史や絵画技法についての授業は、当時シュルレアリスムに傾倒していたワイルドに15世紀のフランドル絵画やルネサンス期のイタリア絵画にも目を向けさせることになり、その後の方向性に影響を与えている。
1942年、ワイルドは学生時代から交際を続けていたヘレン・アシュマン (Helen Ashman) と結婚。
また、この年に陸軍に徴兵され、歩兵連隊空軍と戦略諜報局 (OSS) に勤務した。
1946年に除隊すると、ウィスコンシン大学マディソン校に戻って修士を取得し、卒業。
提出したワイルドの論文は、表向きはシュルレアリストのマックス・エルンスト (Max Ernst) 論だったが、後にこの論文が抽象表現主義に対する抗議声明であったことを認めた。
ワイルドは1948年から1982年に退官するまで母校であるウィスコンシン大学マディソン校の教壇に立ち、美術を教えた。
当時大学ではワイルドの前の世代の画家たちが教鞭をとっていたが、ワイルドは先行する世代の教育方針をよしとせず、エッジの効いたテーマを俎上に載せ、且つ、規律性が高く、伝統的な教育をしたという。
ジョン・ワイルドの作品を初めてネットで目にした時、バルテュス (Balthus) から影響を受けた最近の画家だろうなと勝手に決め付けていたが、実際には、バルテュスより9歳年下の画家で、若かりし頃に同時代的な絵画の潮流であったシュルレアリスムやドイツのノイエ・ザッハリヒカイトに端を発した魔術的リアリズム、そして15世紀フランドル絵画やルネサンス期イタリア絵画からの影響を受けて、自身のスタイルを作り上げた人物だった、ということをこのエントリをまとめている段階で知ることになった。
ワイルドの非日常的で幻想的世界を描いた作品とバルテュスの日常を舞台にした作品のどこに共通点を見て取ったのかといえば、スタティックな世界に硬直した少女が描かれているという点しかなく、どうも自分はダイナミックな世界よりもスタティックな世界にに惹かれる傾向があるらしい。
ウジェーヌ・ドラクロワとドミニク・アングルでは、アングルが好きという、スジの悪いタイプなのだ、自分は。
Wikipedia
Art in Context Center
John Wilde on artnet
Tory Folliard Gallery
ARTISTS :: MODERN ART / CONTEMPORARY ART / MMoCA COLLECTS
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