ゴングのように鳴りわたる時間、縁からあふれるほどにそこを満たす滝、
渦巻き、いなごの群れ、雲、銀河、埃、物音、事件、あれこれ、あれそれ、etc、etc、etc......
Friday, May 5, 2006
Karl Waldmann 01
Karl Waldmann (カール・ヴァルドマン)
1890年代にドイツのドレスデン (Dresden) で生まれといわれているが、正確なことは不明。
1958年頃にロシアの労働キャンプで姿を消した。
伝記的なことはほぼ不明だという。
広く一般に知られていた人物ではなかったので、カール・ヴァルドマンの作品が一般の目に触れる機会が増えたのはベルリンの壁が崩壊した後のことなのだそうだ。
カール・ヴァルドマンが戦前から戦時中にかけコツコツと作り続けていた作品は1200点あまりもあり、その大部分はコラージュかフォトモンタージュで、ロシア構成主義から影響が強く、ダダ・シュルレアリスムからの影響も見られる。
クルト・シュヴィッタース (Kurt Schwitters)、ジョン・ハートフィールド (John Heartfield)、ラウル・ハウスマン (Raoul Hausmann)、ハンナ・ヘッヒ (Hannah Höch)、アレキサンダー・ロトチェンコ (Александр Родченко, Alexander Rodchenko)、ウラジーミル・マヤコフスキー (Владимир Маяковский, Vladimir Maïakovski, Vladimir Mayakovsky)、モホリ=ナジ・ラースロー (Moholy-Nagy László, László Moholy-Nagy)、マリアンヌ・ブラント (Marianne Brandt)、グスタフ・クルーツィス (Густав Клуцис, Gustav Klutsis)、エル・リシツキー (Эль Лисицкий, El Lissitzky、エーリ・リスィーツキイ)
といったアーティストと並べて論じられるに足る、彼らと同時代のアーティストがベルリンの壁の崩壊と共に突如として美術史の中に現れるということが、美術史を塗り替えるような出来事であったのかどうか僕には判断できない。
しかし、宮下誠が 『20世紀絵画』 の中で、調査のために訪れたドイツで戦後の西側現代美術史の中に存在しなかった旧東独の美術家たちの作品に出合って衝撃を受けたと述べていたことと同じようなことが、カール・ヴァルドマンの (再) 発見時にもあったのではないだろうか、などと勝手に妄想してみてもバチは当たらないだろう。
妄想といえば、カール・ヴァルドマンの膨大な作品を見ているうちに思い浮かべたのは、スティーヴ・エリクソン (Steve Erickson) の 『 黒い時計の旅 "Tours of the Black Clock" 』 の主人公、 ヒトラー (Hitler) らしき人物のためにポルノグラフィを書き続けるバニング・ジェーンライト (Banning Jainlight) のことだったが、作品から想像されるヴァルドマン像はジェーンライトのような危険な匂いのする人物ではなく、繊細な人物だったのではないかと思われる。
とはいえ、制作する作品の中ではかなり危険なイメージと戯れていて、ポルノグラフィとまではいかないまでも多少エロティックな作品もあるので、半ば無理やり、バニング・ジェーンライトがコラージュを制作していると妄想しつつ、カール・ヴァルドマンの作品を楽しんだ。
サイトでは、欠番があるにはあるが、9割くらいの作品を見ることが出来きる。
とりあえず、ここでは作品ナンバー01から50までの中から10点ポスト。
Musée Karl Waldmann Museum
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