Friday, May 5, 2006

Pierre-Louis Pierson × Virginia Oldoini, Countess di Castiglione aka La Castiglione












Pierre-Louis Pierson (ピエール=ルイ・ピアソン)
1822年生まれ、1913年没。
写真家。

1844年にダゲレオタイプスタジオを開き、後にマイヤー兄弟 (レオポルト・エルネスト・マイヤー (Leopold Ernest Mayer) とルイ・フレデリック・マイヤー (Louis Frederic Mayer)) との協力関係を築く。ピアソンとマイヤー兄弟は別々のスタジオを経営したが、撮影した写真の下には "Mayer et Pierson." と刻印を入れていた (ちなみに水彩絵の具や油絵の具で加工した肖像写真を専門に撮影し始めたのは、ピアソンとマイヤー兄弟とのこと)。
ふた組は社交界で主要な写真家として活躍し、フランス第二帝政期の間、多くの貴族の肖像を撮影した。
特に1861年にピアソンが撮影した家族写真やナポレオン3世の宮廷の写真は市場において非常に人気が高かったという。
マイヤー兄弟は1878年に引退したが、ピアソンは彼の義理の息子と新たに事業を展開した。


Virginia Oldoini, Countess di Castiglione (カスティリオーネ伯爵夫人 ヴィルジニア・オルドイーニ) aka La Castiglione (ラ・カスティリオーヌ)
1837年3月22日フィレンツェで Virginia Elisabetta Luisa Carlotta Antonietta Teresa Maria Oldoïni として生まれる。

16歳でカスティリオーネ伯 (Francesco Verasis de Castiglione) と結婚し、18歳の時に息子の Giorgio を儲けた。
以下Wikipediaをまんま引用。

従兄にあたるカヴールにより依頼され、1855年にフランスへ向かい、ナポレオン3世にサルデーニャとの同盟関係を結ぶことを承知させたといわれる。イタリア生まれの寵姫カスティリオーネの名前が醜聞となることで、夫とは離婚に等しい状態となった。ナポレオン3世との関係が続く間、彼女は宮廷の王族らに接触することができた。ヴィルジニアは『神々しい美』とうたわれ、宮廷で着る服装が常に話題を呼んだ。画家や写真家のモデルとなり、多くの写真を残している。

1857年、ヴィルジニアはナポレオン3世と別れてイタリアへ帰国した。4年後の1861年、イタリア王国建国の年に、彼女はフランスへ戻った。フランスが敗北した直後の1871年、彼女は秘密裡にやってきていたプロイセン宰相ビスマルクと会見し、プロイセンの占領下でもパリが自由でいられるよう交渉している。ヴィルジニアは、残りの人生をヴァンドーム広場に面したアパルトマンで暮らした。その部屋は、きっちりブラインドが下げられ、葬式のように黒く塗られ、鏡は全て曇っていた。自身が美と若さを失ったことを人に知られたくなかったのである。彼女は夜にならないと外出しないのだった。ヴィルジニアは62歳で死んだ。

最初にカスティリオーネ伯爵夫人の写真を見かけた時に、ヴィンテージを装ったファッションフォトなのかなと思ったりしたのだが、調べてみるとぜんぜん違っていて、十九世紀中期に撮影されたものだと判って驚いた。このカスティリオーネ伯爵夫人 ヴィルジニア・オルドイーニは、滞在していたフランスではラ・カスティリオーヌと呼ばれていたという。Wikipedia からの引用にもあるように、当時の人としては珍しく (いや、もしかすると珍しくないのかもしれないが)、写真が多く残っている人物で、ピエール=ルイ・ピアソンが撮影した写真が特にヴィルジニア・オルドイーニの魅力を上手く捉えているのではないだろうか。例えば、10枚目にポストした写真は、カメラに向かって真横に座った状態で、手鏡に自分の顔の目の周りを反射させてカメラ目線にするというアイデアが、アイデア倒れにならず生かされていて素晴らしい。すんごくオシャレな女性だったというのが写真からもよく判る。まあ、ナポレオン3世や貴族を手玉にとって諜報活動をするような女性なので、魅力的でありながら一筋縄には行かない人だったのだろうが。

誰かカスティリオーネ伯爵夫人を主人公に荒唐無稽に脚色した物語を作ってくんないかな、マンガかアニメで。冲方丁が澁澤龍彦 の『妖人奇人館』をネタに作り上げた『シュヴァリエ』みたいな作品を誰か作って欲しい。時代的にスチームパンクものがいいな。オープニングは、暗く閉ざた 豪華な部屋。大きいけど曇っている鏡に映る老女の姿が回想を始める・・・・・・。と、まあ、こんな感じで。

ポストした写真の内最初の3枚について。
3枚目がおそらくオリジナルのプリントで、1枚目がそのディテールで、2枚目はオリジナル・プリントにある傷を消すなど、レタッチしたものではないかと思われる。多分ネガは残っていないんじゃないだろうか。

Wikipédia - Pierre-Louis Pierson
Wikipédia - ヴィルジニア・オルドイーニ
Defining Beauty Through Avedon
XIDS 2100-02
Pierre-Louis Pierson on artnet
The Metropolitan Museum of Art - Special Exhibitions
artnet® Magazin
Des photographes pour l'empereur
Pierre-Louis Pierson (Getty Museum)
Pierson, Pierre-Louis (French, 1822-1913) | Artist Index | Timeline of Art History | The Metropolitan Museum of Art
WorldImages
cafecool sur gayattitude.com
La Coctelera: ( maquinariadelanube ) - Pierson y la Castiglione
Photograph of the Day – Telegraph Blogs
Nothing Elegant: The First Fashion Model? Virginia Oldoini, Countess Castiglione


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